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携帯向け放送、TV方式 vs. 携帯方式 (2008.3.14)
携帯電話向けの放送としてはTV方式による放送と携帯電話方式による放送があり、日本のみならず世界各国でそれぞれの方式に関する検討がなされている。
1. 放送方式
TV方式による放送:海外において数多くの試験放送がなされているDVB-H,日本において実行されているワンセグ、日本の関連各社により検討されているISDBT
携帯電話方式による放送:米国において始まっているMediaFLO、NTT Docomoにより検討されている3.9G,4G
2.設備コスト
TV方式による携帯電話向け放送が世界各国で数多く検討されている理由としては、TV電波は周波数帯域が低く、電波が遠くまで届くために新規設備構築コストが安いためと思われる。
しかしながら、これは全く新しい設備を構築する場合の比較であって、携帯電話のように既に基本部分の償却が終わっていて追加コストがそれ程大きくないこと、技術進歩により伝送効率が上昇して帯域が狭くても大量のコンテンツを送信可能となることなどがあり、新規設備投資コストだけで比較することは妥当ではない。(参考:携帯vs.TV)
3.視聴者動向の把握、推定と確定
二つの方式の根本的な違いとしては、TV方式による放送は片方向であり、視聴者の動向把握については現在TVにより行われているようにサンプルモニターの視聴率調査により全体を推定するしかないが、携帯電話方式による放送は現在何万人の視聴者がどの番組を見ているなどのアクセスデータが確定される。これはスポンサーに対し広告出稿を頼む際に強力な武器になり、視聴者にアピールする番組を制作する際にも役に立つ。
携帯電話方式による放送では、個人情報を守る意味から住所・氏名・年齢などの課金データをそのまま番組編成に応用することは出来ないと思われるが、インターネットにおけると同様にアクセスデータは利用可能になる。
4.番組編成
TV方式による携帯電話向け放送は、ISDBTにより放送を企画する各社を除いては1チャンネルで時間帯別にニュース、音楽などが編成されているのに対し、携帯電話方式による放送ではニュース、音楽などの多数の専門チャンネルが同時並行的にサービスされる場合が多い(米国Media FLOは8CH)。
携帯電話方式において仮に、1CHを500KHzとすると、20CHであれば全部で10MHzの帯域が必要になるが、20CHあればかなり徹底したセグメント別の番組構成が考えられる。
セグメント別コンテンツは、米国におけるケーブルTVのようにニュース(CNN)、音楽(MTV)、キッズ(ニケロディアン)、スポーツ(ESPN)、ドラマ、健康など100CHを超える番組が提供されているが、男女・年齢別などの視聴者属性により番組編成を行うことも検討に値する。
これはIT技術の進展と共にスーパーにおける商品の個点管理と個々のお客のPOSデータの利用が一般的になっているように、個々の視聴者に配慮した番組提供が要求される時代になってくると思われるからである。
属性を基本にした番組構成を考えると、小学校、中学校、高校生までは男女共通の内容(3CH)でカバーするとしても、大学生、新入社員、中堅社員、管理職、定年後の期間は女性の出産、育児もあり男性と女性に分ける必要がある(10CH)。更に、日本における英語CH,中国語CH,韓国語CH、海外放送CH(4CH)などでも17CHになり、20CHあれば相当程度カバー出来る。
属性別の20CHを早朝から深夜まで放送することは既存の制作方法では番組供給が難しいが、米国におけるFM局のように少人数により運営される多数の放送局や、細分化されて豊富にあるインターネットのコンテンツを咀嚼して紹介することなども考えられる。あるいは統合型のMVNOが傘下に中小のMVNOを多数かかえる形も考えられる。
5.既存メディアと携帯向け放送
既存のメディアとしては新聞、TV、週刊誌などが幅広い読者に対して同じ内容の情報を提供し、この情報を補完するものとして数多くの雑誌(年代別・男女別雑誌、趣味別の雑誌など)が出版され、より深い情報を提供するものとして本が出版されている。
しかしながら、これらのメディアは数多くの細分化された、個人により多くの情報が提供されているインターネット(文字・画像情報、動画投稿、ブログ、SNS)にその座を明け渡しつつある。インターネットの利用が伸びた理由は細分化された情報を検索技術の発達により、本屋・図書館で探すことなく自宅のパソコンで見たいものを見ることが出来る状況になったことが大きいが、携帯電話の場合は職場・自宅のパソコンより身近でポケットにある携帯でいつでも検索可能というメリットがある。
このため携帯電話に放送で種々の情報をダウンロードして置き、その中から自分の見たいコンテンツを検索し、ダウンロードしていないコンテンツについては個々にアクセスしてダウンロードするなど、インターネットの利点を吸収しながらもより使いやすい形で提供すれば多くのユーザーを惹きつけられると考える。
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